2024年08月22日
中学一年生の生徒・保護者の皆様へ
中学1年生の皆さん、充実した夏休みを送っているでしょうか。長い休みですので、いつもだとなかなか経験できないことにチャレンジしている人もいるでしょう。
また、部活動や習い事、地域のお祭りや家族行事など、普段とは少し違った経験をしている人もいるかもしれません。
本日は今後の学習を進めるにあたっての注意事項をお伝えしたいとおもいます。
8月も終わりに近づき、まもなく2学期が始まろうとしています。そろそろ2学期に向けた勉強にも本腰をいれて取り組んで欲しい時期になりました。
中学生になってからの勉強はどうですか?
小学生のときまでとは異なり、授業の進み方が速く、難度もアップしているため戸惑っている人もいるのではないでしょうか。中間テストや期末テストで思うような順位が取れず、自信をなくしている人もいるかもしれません。
1学期の順位はそれ程重要ではない
実は中学1年生の1学期の順位はそれ程気にする必要はありません。
もちろん、良い順位が取れるに越したことはありませんが、1学期のテストは比較的平均点が高く、同じくらいの点数に多くの生徒が集まる傾向があります。
いわゆる「山型」の成績分布ですが、かなり縦長の山です。
したがって、わずか数点の失点で順位が大きく下がってしまうことがあります。問題文の読み間違いや解答欄のミス、些細な計算ミスや勘違いで大きく順位を落としている生徒が多いのがこの時期のテストです。
もちろんそういったことも、高校入試までには解決しなければならないことですが、今は学習内容をしっかりと理解し、真の学力をつけて欲しい時期ですので、本来の自分の実力が発揮できずに順位が良くなかったのであれば、それ程気にする必要はありません。
それよりも気をつけたいのは、些細な事で点数を落とし、順位が低かったことで、自分の実力はこの程度なんだと思い込んではいけないということです。
人は思い込みにより、本来の力を発揮できなくなってしまうことがあります。
サーカスの象はなぜ逃げない?
「サーカスの象」という話を聞いたことがあるでしょうか。
サーカスの象は足を鎖で杭につながれています。
象の力を持ってすれば、引き抜くことが出来るのに象はそうしません。つながれたとたんにおとなしくなります。
なぜでしょう?
それはまだからだが小さく、力も弱かった子象の頃に逃げられなかった体験から、逃げるのは無理だと思い込み、力のついた大人になって挑戦をしなくなってしまうからです。
本来ならもっと実力があるのに、数度の失敗という経験で実力が無いと思い込み、実力が出せなくなってしまう。
何ともったいないと思いませんか。
1学期のテスト結果は、テストに馴れていない、または勘違いなどの注意力不足が大きく影響しています。それをしっかりと意識し、学力をつける勉強を心がけましょう。
どの教科から手をつけるべきなのか?
さて、学習を進めるにあたって生徒、保護者様からよく頂く相談の1つとして、どの教科にしぼって勉強すればよいのか、というものがあります。
もちろん生徒の置かれた状況や本人の資質によりますが、一般的には「得意教科を伸ばせ」が正解といえます。
「ハンカチ理論」を聞いたことがあるでしょうか。
テーブルの上においてあるハンカチを持ち上げるのに、全体を均等に持ち上げなくても、ハンカチの一部をつまんで持ち上げれば、つられて全体が持ち上がるというものです。
これは組織全体のボトムアップをはかる時によくされる話ですが、生徒の学力も同様のことが言えます。
つまり得意教科や好きな教科、伸びやすい教科を集中して勉強し、それを伸ばしていくことで、そのうち他の苦手教科もつられて引っ張りあげられるということです。
特に保護者様の中にはテスト結果で悪かった教科、苦手教科に目がいき、それを何とかしようと、まずは苦手教科から、と考えられる方もいますが、生徒本人からやりたい、何とかしたいという気持ちが芽生えているならともかく、そうでないならそれは悪手といえます。
点数が取れていない教科、苦手教科は本人が勉強し始める敷居が高く、やっていてもつまらなく、わからなく、辛くてすぐに集中力が途切れてしまいます。
アルバイトではないプロの家庭教師をつけてやるなら苦手教科からでも問題ないと思いますが、まずは得意教科から始めるのが良いでしょう。
ただし、1年生のこの時期にしっかり学習しておいて欲しいのは英語と数学です。
いよいよ新文法が登場
英語について、リスニングやスピーキングを中心に英会話を楽しく学んできた小学生までの英語とは異なり、中学生英語の中心はリーディングとライティング、文法です。
この差に気づくのが遅れ、小学生までは英語が得意だったのに、中学生になって一気に苦手になってしまった生徒も少なくないと思います。
実はこの事が、小学生への英語の教科指導が始まってからの課題の一つでした。来年度から小学生の教科書が改訂されますが、楽しく、英語嫌いを作らない指導方針をいくらか変更し、中学英語についていけるよう舵を切るようです。
実は中学1年生の1学期の教科書内容は小学生英語の復習です。
具体的には、be動詞、一般動詞、助動詞canの肯定文、否定文、疑問文と答え方、過去形、複数形、命令文、疑問詞を使った疑問文です。
2学期からはいよいよ新文法の登場です。三単現のsや進行形、本格的な過去形です。
これまでの内容が一気にグレードアップされていくのでこれまで以上に力を入れてもらいたい所です。
今後の英語は文法が重要になります。文法に重きを置かず、とにかく暗記することを中心に学習を進めることはかなり危険です。
もちろん、ある一定数の単語や熟語を暗記するのは重要です。
しかし、それだけに頼っていくのは良くありません。
当面はそれほど複雑な文ではないのでなんとかなるかもしれませんが、文法の理解なくして英語は出来るようにはなりません。
意識を改め、文法理解に励んで欲しいと思います。
数学の最重要単元のはじまり
数学について、中学生になって負の数の概念が登場し、負の数の計算、文字式の計算を学習してきました。
2学期に入り、これらがいよいよ方程式へと発展します。
保護者様はご存知のとおり、この方程式の計算を根本理解し、しっかり計算が出来ることが、今後の数学や理科の計算では必須になります。
方程式の計算が出来ないまま次に進むのはかなり困難です。例えるなら九九が出来ないまま、掛け算の筆算や小数の掛け算、割り算に進むようなもので、九九へと立ち戻るべきといえるでしょう。
また、ここでは等式の概念と式の展開をしっかり身につけたい所です。
特に比較的計算が得意で、暗算を多用する生徒は要注意です。方程式の正しい解は出せるものの、等号のつけ方が間違っており正しく式が出来ていないと先の数学で大きく躓いてしまいます。
解が合っているだけに本人は気づきにくく、教師や保護者様がしっかりチェックすべきところです。
英語や数学以外も2学期以降、理科で複雑な計算問題が出てきたり、社会も暗記量が格段に増えてきます。
どの教科も大変な時期に突入していきますが、しっかりと学習習慣を身につけ、計画性のある学習をしていきましょう。
中学1年生の皆さん、いかがでしたか。3年生が部活を引退することで今後の部活動はますます大変になってくるでしょう。
また、体育祭や文化祭など学校行事も多く行われます。
そのような中で勉強にも力を入れていかなければいけないのは大変なことと思いますが、自分の将来を見据え、全力で頑張ってください。
向陽塾では通常の授業に加え、定期テストに特化した約2週間の短期対策授業を実施しています。興味がありましたら、是非参加をお待ちしております。