2024年05月15日
いろんな意見があるけど定期テストって結局重要なの?重要性と定期テストの勉強法、ご家庭でのサポートを合わせてご紹介!
あの「定期試験廃止」の中学は今
昨年の夏、教育関係者には少しびっくりなニュースが飛び込んできました。
10年ほど前、「定期試験無し」「宿題無し」「学級担任制廃止」「制服・体操着着用自由」などおよそ公立中学校では考えられない改革を実行し、テレビやマスコミを大いににぎわした麹町中学校が、これらの改革転換を行うことになったとのニュースです。
抜粋しますと、
「宿題や定期試験の廃止など大胆な改革で全国的に知られる東京都千代田区麹町中学校が、指導方針を転換し、改革の多くを戻す方向で検討していることがわかった。学力向上などを理由に挙げているという。自由な校風に魅力を感じて転居してきた家庭も少なくなく、保護者らに波紋が広がっている。」(朝日新聞デジタル)
当時改革を行った工藤勇一校長退任後も後任者が改革を進めてきたようですが、
「方針転換の理由は、生徒の学力向上や生活指導強化の必要性、地域からの要望など。」(同)
だそうです。
定期試験を無くし、単元テストを実施する改革はすでに長年教育現場に立っていた当時の私には、生徒の成長のためには魅力的である反面、実現にはかなりの困難があるのではないか、と思えました。
今回、方向転換にいたった理由が「生徒の学力向上」のためということで、定期テストを実施することが学力向上には欠かせないということが証明される形となりました。
そこで今回は、定期テストの重要性とその活用法について掘り下げていきます。
1、定期テストの重要性とは?
定期テスト実施の理由は、角度を変えてみればたくさんあります。
ただ漠然とテストを受けるのではなく、それらをしっかり理解してテストに望んで欲しいと思います。
1-1.中学校にとっての目的
中学校にとって定期テストの主たる目的は各生徒の成績評価の機会であるということです。
定期テストの結果は、その時点での学力の評価であり、内申点(通知表)に大きく影響します。
ひいては高校入試における推薦入試や一般入試での審査の材料としても使用されます。
1―2.生徒にとっての目的
1.スモールステップ
学習面における、生徒個人にとっての定期テストの目的は、1~2か月間の履修内容の定着にあります。あらかじめ設定された教科書の範囲から出題されることが多く、限られた範囲、限られた単元を完成することが求められます。
テストの結果だけが勉強の目的ではありませんが、結果が出なければやる気を持ち続けるのは難しくなります。定期テストは日々実施される小テストより達成感があり、成果が出たときには大きな自信につながります。
2.高校入試
中学生は先に高校入試を控え、常にそれを見据えた学習をしていかなければなりません。ただし、高校入試は遠い先の話であり、また、入試に対応できる学力を身につけようと思ってもまずは土台となる基礎学力が必要であり、入試を乗り越えていくための精神力も必要となります。
各中学校で行われる定期テストに照準をしぼって学習し、学力を上げていく中でその二つの力を養っていくことができます。
2.生徒たちがどう定期テストに取り組むべきか
生徒たちがどう定期テストに取り組むべきかについて、適切な計画と勉強方法がテスト結果や高校入試に大きく影響することは明らかです。
以下では、定期テストに向けて効率よく勉強を進めるための戦略を詳しく解説します。
2-1.勉強を始めるベストなタイミング
定期テストの勉強を始めるベストなタイミングは、一般的にテスト実施日の10日前と言われます。
向陽塾のテスト対策授業を10日前から実施するのもこのためです。
矢作北中学校や矢作中学校、城北中学校など岡崎市内の中学校ではテストの一週間前にテスト範囲が発表されます。
普段から定期テストを意識した学習がしっかりできている生徒はこのタイミングで始めてもよいでしょう。
ただし、期末テストになると主要5教科に加え、技能4教科が実施されますのでもう少し余裕を持ってテスト勉強を開始するのがいいでしょう。
2-2.宿題をやるベストなタイミング
矢作北中学校や矢作中学校、城北中学校など岡崎市内の中学校では数学の友や国語の学習、理科の学習、振興会プリントなどの副教材のテスト範囲が宿題として出され、多くはテスト当日に提出となります。
これらの宿題はいつやるのがベストなタイミングでしょうか。
もちろんいつやってもいいのですが、副教材を使って勉強するよりも、ある程度勉強して力をつけた後、確認しながら進めていくことをお勧めします。
やってはいけないのは、まだ、まるっきり知識も付いていないのに教材に臨み、案の定ほとんど解らず、ただ答えを書き写すということです。
これでは全く力はつきません。それどころか自分はダメだと自信を失うのと同時に、勉強している(答えを写しているだけ)のに成果がでないため「やっても無駄だ」とあきらめの心が芽生えてしまいます。提出物なのでやらなければならないのですが、これではやらないほうがまし、となってしまいます。
向陽塾のテスト対策では、ある程度理解を進めた後、授業日程の後半に宿題をやる時間を設けているのはこのためです。疑問点やわからない問題の質問もここで受け付けています。
実際のテストでは副教材の内容がそのまま出題されることも多く、テスト目前に繰り返しやることが高得点につながる早道といえます。
2-3.効率的な勉強法
どの教科もどのタイミングでどんな問題を解いていくかが重要になります。ここでは向陽塾の普段からの勉強法とテスト対策で実際に行っている勉強法をお伝えします。
1.英語の勉強法
英語は普段から教科書のUnitが進むごとに「New Words」と「Key Sentence」、できればそれと重要表現をしっかり暗記することが大切です。
他の暗記教科も同様ですが、テスト前に一気にすべてを暗記するのは大変ですし、効率がよくありません。普段から小テストで確認しながらしっかり暗記することが大切です。向陽塾ではそれ用の「英語完全攻略」というプリントを準備しています。
テスト前にはそれらを同じ小テストで確認しましょう。かなり忘れてしまっているかも知れませんが、数週間前に一度しっかり暗記したものはすぐに思い出しますし、暗記にそれほど時間はかかりません。
その後、並べかえ、書きかえ、穴埋め、英作文とレベルを上げながらいくつか別のパターンで重要文法や重要表現をテスト形式で確認します。実力がついた所で、過去の定期テストの類題を何パターンか解き、間違いを確認することで実力を完成します。
長文問題などもこの段階でチャレンジするのが良いでしょう。
2.数学の勉強法
普段は計算や基礎問題をまずはしっかり理解することが大切です。その後反復練習をしながら正確に、速く解けるようにします。
順番はまずはゆっくりでも正確に解ける、そして速くの順です。速く、正確に解けないと計算力がついたことにはなりません。
あとは、単元によりけりですが、良問を多く解くことです。これは塾などの手を借りないと生徒個人では難しいかもしれません。
中学数学で求められる数学的なひらめき力は、持って生まれた才能やセンスではなく、基礎問題の反復練習から生み出されるものです。
特に数学が苦手な生徒は問題や解き方を暗記してしまうくらい、反復練習することをお勧めします。
テスト前には感が鈍らないように、基礎問題を怠らず繰り返し、過去の定期テストの類題を解きながら、見慣れない問題に挑戦してひらめき力を鍛えましょう。
3.理科の勉強法
普段の授業ではものごとの本質を理解すること、根本の理解を心がけましょう。
同時に理科は暗記すべきことも多くありますので、英語の勉強法で述べたように単元ごとにしっかり暗記を行うことが重要です。また、計算などの基礎問題は数学の勉強法で述べたように反復練習を行いましょう。向陽塾で利用するオリジナル教材「理科の達人」はこのために作られたプリントですので有効利用していきましょう。
テスト前はこの「理科の達人」の確認から始めるのが良いでしょう。
単元にもよりけりですが、根本理解や計算力が求められる単元では、少しずつレベルアップしながら多くの問題にあたるように心がけましょう。
4.社会の勉強法
社会は単なる暗記ではなく、歴史ではある出来事が起こった背景や原因などを学んだり、日本と世界のつながり、登場人物の考え方や性格などまで知るととても面白くなります。
また、地理もなぜその土地の特産物がこれなのか、歴史との関連性など学ぶことは多いです。
しかし、定期テストで得点を取るにはどれだけ暗記できたかが大切になります。
向陽塾では単元の区切りごとに暗記用のオリジナル教材「社会の達人」を利用して暗記を行います。英語の勉強法でも述べましたが、普段から小テスト方式でしっかり暗記することが大切です。
定期テスト前にはまず「社会の達人」でほぼ正解が答えられるような状態で類題に進んでいきましょう。
暗記ができていない状態で副教材や応用プリントに進むのは得策とはいえません。向陽塾では「社会の達人」の後、内容を少しずつレベルアップしたプリントを各単元3パターン用意しています。それをクリアーした上で過去の定期テストの類題を何パターンか解き、間違いを確認することで実力を完成していきます。
5.国語の勉強法
国語は定期テストのように教科書で一度扱った文章を利用したテストと初見の文章を使った実力テストでは、勉強の方法が大きく異なります。
定期テストでは、教科書本文が使用されるので、過去の定期テストの類題を何パターンもなるべくたくさん解くことが大切です。
答えに窮するような問題が出題される可能性は低く、テストで出題される大部分は学校の授業や副教材などのどこかで出てきているはずです。しっかりと見直しをしておきましょう。向陽塾のテスト対策でも多くの練習問題を準備しています。
また、漢字は毎回20点ほど出題される中学校が多いので指定された範囲は繰り返し小テストを行いながら暗記しましょう。
2-4.どの教科に重点を置くべきか
各教科の勉強法を述べましたが、どの教科に重点を置くのがよいでしょうか。
もちろん生徒によって状況は異なりますが、どうしても気になってしまうのは苦手教科です。
ただ、苦手教科は点数の伸び枠があるとはいえ、簡単には伸びません。苦手教科を勉強するのは苦痛ですし、かなりの努力を必要とします。
もし、得意教科にも点数の伸び枠があるのなら、得意教科に重点を置くことをお勧めします。
どの教科も平均的な成績をとる生徒よりも、1つ得意教科がある生徒の方が全体的に伸びやすい傾向があります。1つの教科で成功体験を積むことで自信を持って勉強に臨むことができるようになるでしょう。
もし、他の教科はかなりの高得点が取れるのに、苦手教科だけ点数が低い、というのであれば苦手教科に重点を置くべきです。もしかしたらその教科に対する苦手意識が邪魔をしているのかも知れません。
どの教科も似たりよったりであれば、社会や理科に重点を置くと良いでしょう。英語や数学とは異なり、他の単元とのつながりがほとんどありませんので、テスト範囲に集中して勉強すれば、かなり伸びやすい教科といえるでしょう。
2-5.保護者様に出来るサポート
生徒の成績を上げるのは生徒の努力です。これなくして成績が上がることはありません。
まわりの大人が子どもたちにできる事は限られていますが、最も大切なのは子どもたちが頑張る環境を作ることだと思います。
学習に関しての環境は向陽塾が作ります。
保護者様は子どもが定期テストで最高のパフォーマンスを発揮できるよう、以下のようなサポートをお願いします。
1.関心を示す
向陽塾に来ている生徒は、皆、成績向上を目指し頑張っています。
ただ、時に躓いて自信を喪失したり、モチベーションが下がってしまうことがあります。定期テストの重要性を理解し、子どもたちがモチベーションを保つために積極的な関心を示してください。
ただし過干渉は禁物です。小学生までとは異なり中学生では生徒の自立を促し、自主性を引き出すことが大切です。
例えば適切な校内順位や得点の目標を持つことは生徒の自主性を引き出します。
ただ保護者様から一方的に目標を設定するのではなく、生徒主導で目標を設定するのが良いでしょう。
お子さんが勉強している姿を見かけたら「何の教科を頑張っているの?」「何点(何番)を目指しているの?」と声をかけてあげてください。
場合によってはご褒美があってもいいかもしれません。私が子供のころは、目標を達成できると母がエビフライを作ってくれました。今のお子さんがエビフライをご褒美と考えるかは不明ですが(笑)。
2.褒める
お子さんの頑張りを褒めることも大切です。もちろん結果を褒めることも大切ですが、夜遅くまで頑張った、苦手な教科に挑戦した努力を「偉いと思うよ」と褒めるのが良いでしょう。結果よりも努力した姿を褒めるのが効果的です。
また、兄弟やまわりのお子さんとの比較ではなく、お子さんの以前の姿との比較で褒めるようにしましょう。
時に、努力が報われず、結果が出ないときやお子さんがなかなか勉強に向かわないときがあるかもしれません。
そのような場合でも叱るのはよくありません。
一時的に効果があるように思われるかもしれませんが、長い目でみれば効果はありません。
むしろ、何がいけなかったのかをお子さん本人が口にして、認識できるように導いてあげることが大切です。くれぐれも保護者様から一方的に押し付けるのは良くありません。
なかなか勉強に向かわないときには「なぜやらないの?」の問いかけをするのが良いでしょう。もっと先の将来の姿を描いていくことも必要と思われます。
3.最も効果的な方法
お子さんのモチベーションを上げる最も効果的な方法は、親が努力する姿をわかりやすく示すことです。
大人にとっても努力を続けることは大変なことであり、苦痛をともないます。その努力を続ける姿をお子さんに示すことで、お子さんにも「自分も頑張ろう」という気持ちが芽生え、親の意見にも素直に耳を傾けることができるようになります。
生徒たちの学力向上、高校入試において定期テストの果たす役割は非常に大きく、これを軽視することは、将来の学業成績に直接的な影響を与えかねません。
家庭でのサポートと学校や塾での努力が合わさることで、生徒たちは高校受験に向けて最良の準備をすることができます。
このような取り組みを通じて、子どもたちは学問への真の理解とともに、将来の学びへの扉を開くことができるでしょう。